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つくばショートムービーコンペティション 2020
会期・会場
2020年2月29日(土)@つくば文化会館アルス
※新型コロナウイルス感染症の影響により、審査会のみの実施となりました。
授賞作品発表
●自由部門
グランプリ
『ストレスフルスイング』
筑波学院大学長賞
『適度なふたり』
ウィットスタジオアニメーション賞
『PIANOMAN』
佳作賞
『Share the Warmth』
『LIFE』
『Stability Place』
●3分以内のショートショート部門
ショートショート部門賞
『惣菜』
ワコムスチューデント賞
『蝉の声、風のてざわり』
佳作賞
『裸の男』
●つくば部門
つくば市長特別賞
『おもいでの町』
佳作賞
『つくばランタンアート』
※市民審査員賞は上映会が中止となりましたため、該当なしとさせていただきます。
審査員長コメント
今回はあっという間にノミネート作品を観終わった、そんな印象です。誰もが手軽に映像機材に触れられる昨今ですから、レベルが上がっている、といえばそれまでですが、しかし、どの作品も愛に溢れ、そこに「創る意味」を見出すことができ、至福の二時間を過ごさせて頂きました。その中でも頭一つ抜きん出ていたのが、グランプリに選出した『ストレスフルスイング』です。脚本良し、芝居良し、編集(テンポ)良し、大いに笑わされ、2013年の第1回から個人的にこだわってきた「映画(映像)が好き! 楽しませるのが好き!」という選出基準を存分に感じさせてくれる作品でした。物語は映像コンペに落選し続けるガケップチ男の話ですが、好きだからやめられない、という誰しもが共感しうる「業」を見事に描きつつも、第7回ともなると(もちろんコンペはつくばだけではありませんが)、こういった制作者側のバックステージ物が飛び出てくるのかと、感無量でした。お見事です!その他、驚かされたのは『惣菜』、『蝉の声、風のてざわり』の二作品。これが高校生の作品というのが僕にはどうしても信じられません。物凄いセンス。おそろしい世の中になったものです(笑)。
出品監督の皆様、コロナウィルス問題でお会いできなかったのは本当に残念ですが、いつかどこかでばったり会って感想を語り尽くしたいのと、次回作、心から楽しみにしております。
グランプリ受賞コメント 『ストレスフルスイング』 山村もみ夫。監督
はじめまして、山村もみ夫。と申します。
この度は、慌ただしい中、審査会を実施してくださり、大変感謝しております。
中村義洋監督をはじめ、実行委員会及び関係者の皆様、本当にありがとうございました。
そして、グランプリという輝かしい賞を頂きまして...
なんて輝かしいんだと感動しております。
キャスト、スタッフ全員の力で取った賞だと思います、
至らない監督をいつも支えてくださり、ありがとうございます。
受賞のお知らせをメールで頂いた時、
今作の出演者である伊藤淳二と橋龍との打ち合わせ中で、
喫茶店だったのですが、3人で思わず大きな声を出してしまいました。
隣のテーブルに座っていた老夫婦が驚いてこっちを見ていたので、
事情をお話して祝ってもらいました。
珈琲は奢ってもらえませんでした。
今後も見てくれた方の「娯楽」になれるような作品を作っていけたらと思います。
グルノーブル行ってきます!
上映作品一覧
つくばショートムービーコンペティション2020 にノミネートされた各作品についてご紹介します。
●自由部門
『適度なふたり』
- 監督・制作:柴田 有麿
- あらすじ
- 今まで遠距離で暮らしてた新婚夫婦。初めての共同生活に期待が膨らんでいたが...。
『PIANOMAN』
- 監督:児玉 徹郎
- 制作:ECHOES
- あらすじ
- 無限に広がる白く静寂な空間ー。そこで記憶をなくした一人の男が目を覚ます。 男の目の前に佇む巨大な扉、遠くには古びた神殿。男は導かれるように建物へー。 そこには古びたピアノがあった。 男がピアノに触れた瞬間、戦慄の記憶がよみがえる、男の正体とは。この空間の真実とは―。
- Youtube
『Share the Warmth』
- 監督・制作:村田 朋泰
- 制作:電通関西支社+ガンズロック / ROBOT、TMC
- あらすじ
- 森の近くに住む女の子と両親の3人家族。 ある冬の寒い朝、木こりのお父さんは、家に"あるもの"を忘れて森に入ってしまいました。 幼い女の子は、寒い中働くお父さんに忘れものを届けようと、家を飛び出ます。 ところが女の子は森の中でふしぎな出来事に遭遇していきます。 女の子は無事にお父さんに会って、忘れ物を届けることができるのでしょうか...
- Youtube
『Stability Place』
- 監督・制作:福井 優太
- あらすじ
- 終末戦争を終え、廃墟と化した東京。民間施設を改造したシェルターに"囚われた"少年少女たちとその管理ロボット。2145年、一発の銃声が静寂を切り裂き、彼らは各々の意思で動き始める。
●3分以内のショートショート部門
『惣菜』
- 監督・制作:野村 穂貴
- コメント
- ある日突然、自分にだけ見えるようになった"惣菜"たち。 特異な状況に立たされた「私」の、焦燥と次第に変わりゆく気持ちを抽出した作品です。 少々不気味にも思えるし、愛らしくも憎たらしくも思える。 リアリティと虚構がグニャグニャと混ざり合った机上で、あったらいいなと思っていた存在を描きました。
- Youtube
『蝉の声、風のてざわり』
- 監督・制作:﨑村 宙央
- あらすじ
- 「授業をさぼった。」授業を抜け出し、校舎を歩き回っていて、ふと階段に寝転がってみたときに「まるで初めて来たところにいるようだ」と感じた不思議な経験があります。学校の閉塞感や将来の不安、体を雁字搦めにされているような感覚から逃れられる時が時にはあり、それでも一刻一刻と現実は近づいてきてしまいます。そこから逃げるように立ち上がり、階段を上った先に、青年は吹抜けに面する長机の上に一つの小さな付箋を見つけます。
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●つくば部門
『おもいでの町』
- 監督:日原 進太郎
- 制作:おだのこ
- あらすじ
- 廃校となった小田小学校で、黙々と作文を書く子供たち。書き終わった作文を読みはじめると、子供たちの声は記憶のかけらを連れて町中を歩き回る。 変わらないもの、変わってゆくもの。そして、失くなってしまったもの。思い出がたくさん詰まったこの町で、子どもたちは今日も元気に生きている。
『つくばランタンアート』
- 監督・制作:長浜 貴男
- コメント
- 妻と娘と共に訪れた、冬のつくばの風物詩、ランタンアート。 喧噪の中でも、じっとランタンの灯りを見ていると、 灯りのゆらぎに癒されて、しだいに周りの音は遠のき、 ひとり、ランタンアートの幻想的な世界に入り込むことができる。 ときおり、娘に呼ばれて、美しい灯りや、気に入ったランタンを見つけた様子の娘の反応も楽しい。 ランタンアートを見た人も、見ていない人も、 その時私が感じた世界観を、映像で共有できれば、嬉しいです。
- Youtube